【中学生のころからの疑問】なぜ3人称単数現在には-sがつく?
誰しも中学生のころ、不思議に思ったことはないでしょうか?
「英語において、なぜ、主語が3人称単数現在のときだけ-sがつくのか」と。
僕も習った当初は不思議に思っていました
(意味をわかっていたのかすら不明です)が、
学年があがっていくにつれ、
そんな感覚はとうの昔に忘れさってしまっていました。
ところが、最近気になり、少し調べたり考えたりしたので、
私は研究者でもなんでもないのですが、
なんとなくこうじゃないかな?というお話を書かせてもらいます。
※その辺はご容赦ください。
いくつか理由が考えられるのですが、
長くなると思われるので、先に結論を書かせてもらうと、
「今、会話している人以外の話をしていますよマーク」の1つとして残っているのではないかなと思われます。
個人的に説得力があるな~と思ったのを2つ紹介させてもらいます。
考えられる理由① 主語が単数なのか複数のものなのかを聞き手が瞬時に判断できる(誤解を招かない)ようにするため
もし英語が各人称ごとに活用するなら、動詞を聞けばその文の主語が誰か分かることになります(つまりどういった人に関する話なのかが容易に想像が付くことになります)。
動詞が活用すれば主語が単数か複数か判別できるようになります。一人称と二人称は区別が付くので三人称の単数と複数の区別さえ付けば良いので三人称のうち単数のみ活用が残り、三人称単数にはsが付くようになったのだと思います。
※ Help the受験:何故三単現だけにsがつくのか より
つまり、英語の語順は通常、多くが
< 主語 + 動詞 ~ >
の形をとっており、話し手(1人称)と聞き手(2人称)の間で、
【『I (we)』と言われたら話し手側の話をしている】
【『you』と言われたら聞き手側の話をしている】
とわかりますが、
その他の単語を言われた場合、たとえば 「Monkeys」と言われた場合、
①猿が複数いる
のか
②Monkeysという1つの固有名詞
が主語なのかが瞬時で判断できない。
それを文中ではっきりとさせるために
3人称単数のときに-sをつけるのではないか?というものです。
考えられる理由② 第三者であることを表す印をつけるため
- 人間は自分のことを話すのが一番自然。自分以外の人間やモノのことを話すにはいろいろ苦労する。この時に言葉にそれを表す「印」がつく。
- 二人称単数が主語になる時にも動詞の形には印がついていた。しかし、二人称単数を表すthouは、「心理的プレッシャーが高い」ため廃用となり、かわりに複数形のyouが使われるようになった。
- 結果として三人称単数現在につく印のみが今の英語で残っている。
ameblo.jp より
まとめ部分を引用させて頂きました。さらにくわしく流れを知りたい方は、上記ブログの 三人称単数現在の-sはなぜあるの?その1|『英語職人』時吉秀弥の英文法 最終回答! よりご覧いただければと思います。
【らむねの考え】三単現の-sは「今、会話している人以外の話をしていますよマーク」の1つ
人が言葉を発するときには、必ず発信者とその受け取り手がいることが想定されると思います。
誰かと誰かが話しているときであれば、話し手と聞き手が、
本やブログを読むときには書き手と読み手がいます。
特に会話などをしているときであると、
その発信者と受け取り手は目の前にいるので、
この両者について話をするときにはあまり説明はいらないと思います。
この点は上記時吉秀弥さんと全く同じではないかと思います。*1
逆に、会話の中に入っていない人に関しては、
「会話の中に入っていない人についての話をしていますよ」という印を
言葉の中に入れておいた方が、
コミュニケーションとしてはスムーズにいくのではないかと思います。
ここで、出てくるのが、-sという表現です。
-sをつけることによって、「会話している人以外の話をしていますよ」というアピールをしているのではないかと考えます。
こう考えれば、三人称「単数」現在に-sがつく理由がわかる気がします。
He plays tennis.
↑-sをつけることによって、「我々と違う人の話をしているよね」と確認
しかし、そうすると、三人称「複数」のときはなぜ-sがつかないのか?という疑問がわきます。
ただ、落ち着いて考えてみると、-sという表現は多くの場合、
三人称「複数」のときも実は文中に存在しているのではないかと思います。
The boys play tennis.
そう、複数形の-sです。
複数形の-sは様々な名詞につきますが、
-sがつく名詞はI you 以外なので、全部3人称扱いになります。
ですから、複数形の-sは
①その名詞が複数形である
ということを示しているのと同時に、
②会話している人以外の人の話をしている
ということも表していると考えると、
-sをつける = 会話外の人の話
と決定できます。
しかし、ではなぜ、
The boys plays tennis. としないのか。
これは、単純に「くどいから」ではないでしょうか。
-s -sと同じ言葉がくりかえされるのもくどいですし、
boysの-sで会話外の人の話ということがわかれば、
2度もそのことを伝える必要はない。
動詞の方の-sを消すことによって、主語が複数であることの確証もとれる。
動詞の-sはない方がよいことの方が多い。
そして、この流れが定着しているために、
人称代名詞theyの場合や、Tom and Emiなどのようにandでつながっている場合も-sをつけないのではないか、、、
と、これは少し乱暴な論ですね。笑
この辺も考えると、残念かな、時吉秀弥さんの論が一番説得力ありそうですね。泣
しかし、恐らく、三人称複数のときに-sがない理由として、多少は上記の意識も働いているのではないでしょうか?
長くなりましたが、なぜ三人称単数現在のときだけ-sがつくのか?について
考えてみた文章でした。
ご意見・ご感想をお待ちしています。
*1:たとえば、会話以外の場合でも、このブログを書いた「私」と今これを読んでくださっている「あなた」はこの文を共有しているという意味において、1つの世界を作り出しており、その世界を共有している人と共有していない人ということで、会話の例と同様に考えられるのではないかと思います